中国人社会を本当に理解するとは?
1. 中国には、56の民族がある
同じアジア人であることもあり、ついつい見逃しがちなのが、「中国は多民族国家である」という
事実であります。
即ち、56の民族各々が異なった文化、価値観を有しており、「中国人は、○○である」のごとく
「一派一絡げ」のような言葉を聞くこと自体が、そもそも中国という国を全然理解できていないことを示しております。
例えば、ある地域においては極めて親日的な対応を受け、取引等も比較的スムーズに進める
ことができるのに対し、他の地方においては「日本人を懲らしめるのが美徳」の如くの価値観を
持っているところもあり、(極端な話では)日本人に不利益を与えると周囲から拍手喝采を
受ける地域もございます。

各々の地域の歴史的背景を含めた民族特性をきちんと理解して、取引相手企業を選定して
おかないと、契約後に大変なトラブルを抱えることとなる危険性がございます。
2. 未熟な経済社会
今、中国は急激な経済的発展を遂げており、税制を含めた社会制度が進歩に追いついていない状態と申せます。
その結果、所得格差が急速に拡大しており、内部に倫理的な問題を多く抱えている企業が大半であるといわれております。
具体的には、「二重帳簿」「贈収賄の横行」が半ば公然の如く存在しており、大半の企業においては今日本で話題となっておりますCSR(企業の社会的責任)とは、程遠い状況と申せます。
また、困ったことに、このような状況は地方自治の現場においても影響を受けており、中国社会を良くご存知の方の中には「中国は、法治国家ではなく人治国家である」という方もおられます。
しかし、そのような中でも、きちんと良心的な経営をしている企業もいくつかあるのですが、
そのような情報を持たない方ではこれを見抜くことは至難の業と申せましょう。
失敗しない中国ビジネスの進め方とは?
1. 現地事情に詳しいコンサルタント?
(ア) コンサルタントの選定

最近、上海市等を中心に「日系企業の現地法人設立請け負います」を標榜する現地コンサルタントが多数出現してきており、価格も日本のコンサルタント企業に比べてかなり安く設定してきております。
これら現地コンサルタントに依頼する場合、中国事情に精通した方であれば極めて有効であると申せますが、初めて中国ビジネスに携わるような方の中には「後々トラブルの火種を抱える」ことも多々生じております。
(イ) トラブル事例

前項トラブルの代表事例として良く聞くのは、設立登記時の「会社目的」がございます。
日本の場合でも、会社設立時に「会社目的」を登記しておりますが、あまり具体的な表記を
せず、最終行に「上記に付随する業務」の項目を1行入れて済ますのが大半であり、
特にこれで問題が生ずることはございません。
ところが、中国の場合は、登記上の会社目的が「許認可と同等の取扱」を受けており、当局が
「会社目的と違う事業を行っている」と判断した場合、「即日営業停止」となる危険性がございます。
(ウ) 日本と中国の違いを知る

前項だけに関わらず、中国の諸規則、手続き、商慣習等文化面の日中の各々の違いに精通した
人間が関わらないと、「こんなはずでは…!」という自体に陥る危険性が多々ございます。
「同じ儒教文化である」「街中に溢れる急激な西洋化」等々の表面的な部分に欺かれ、
「日本とあまり変わらないのではないか?」と思い込んでしまう方々が多いように思われます。
大企業全てが国営民営化企業である
1. ほぼ全てが許認可事項(人脈作りの重要性)

前項の設立手続きを始め、業務を開始しようとすると、様々な許認可が必要となり、
中には日本の私たちでは想像もつかないようなものが必要な時があります。
また、(法律で定めてある訳ではありませんが)実務上の様々なトラブルを回避していくために、
公安当局、消防当局、等の関係各庁には何らかの人脈を作る必要があります。
(※これが実は一番重要かも知れません)
2. 経理体制の違い

(公表はされておりませんが)現地企業の経理担当者は、ほとんど「二重帳簿」を作成しており、
正しい数値にて申告等を行っているケースは極稀といえます。
このことは半ば当たり前となっており、税務当局も偶に見せしめ的に摘発するだけで、
ほとんど黙認状態といえます。
これは、(後にも述べますが)急激な会計基準や税体系の変化に、現場担当者の育成が
追い付いておらず、所謂「手が廻らない」状態のためとも言われています。
どちらにしても、このことが日本側の経営陣にとって、「現地企業経理のブラックボックス化」の
最大要因となっております。
事実、私どもを始めJTG(中央青山監査法人業務提携グループ)各社に最も多いご依頼として
「日本の会計基準に置き換えた決算書の作成をして欲しい」が挙げられていることからも、
このことは窺い知れると申せます。
3. 国際基準との乖離

中国はWTO加盟後、会計基準を始め様々な規定の国際化を実施してきており、
これらの諸規定は国際的な水準から見ても遜色ないものとなっております。
しかし、これが企業の現場におきましては、前項にて述べてきましたように
「対応し切れているとは到底言えない状態」であり、
これらを取り巻く専門家も(実際には)古くからのやり方をそのまま続けているケースが
ほとんどと言われております。
日本と中国双方の実態を十分理解したところに頼む

 色々と、問題点等を述べて参りましたが、大半の中国の方々は
「日本企業との取引を上手く行っていきたい」との認識をお持ちであると申せます。
その意味では、日本企業側のご担当者の皆様が現地の状況を正しく理解して臨むか否かで、
ビジネスそのものの成否が決まると申せます。

 私どもは、その設立母体が税理士法人となっており、中小企業の皆様が中国ビジネスにおいて
(本書で述べておりますような)多大なご苦労をされておられることを危惧し、現中国ビジネス
開発部長の田恩国(でんおんごく)を招き、新たに「中国ビジネス開発部」を立ち上げました。
田は、2000年3月より愛知県吉良町に居住し、多くの地元企業様の日中橋渡しのお手伝いをさせて頂いて参りました。
中国中央政府とのパイプも太く、今まで述べて参りました「日本の企業経営者が、
中国のことを正しく理解できていない」ことも熟知しております。

 言い古された言葉ですが、「転ばぬ先の杖」として、是非私ども中国ビジネス開発部にご相談頂けますようお願い申し上げます。

 

平成17年8月吉日
代表取締役 安田敏明
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